「動画配信」3.11___14:46 奇跡のピアノ
奇跡のピアノ
3.11 ___ 14:46
https://www.youtube.com/@chiba-bou
福島県いわき市に「奇跡のピアノ」と呼ばれるピアノがあります。
2011年3月11日、東日本大震災で津波の被害を受けた福島県いわき市立豊間中学校の体育館から発見された一台のグランドピアノです。
津波が到達する数時間前は卒業式が行われていました。
土砂の中に埋もれ、損傷が激しいことから瓦礫として扱う方針でしたが、自衛隊が取った行動は、思い出のピアノを瓦礫として処理するのは忍びないと飲み水である腰につけた水筒の水をモップにかけて体育館の床を拭き中央にピアノを置きました。
綺麗になった床の上に復興となるピアノを設置し、その姿をもし子供たちが見たら豊間中学校はまだ大丈夫だなと思ってほしいという願いを込めて。
体育館でピアノと出会った市内の調律師、遠藤洋さんとご家族が自衛隊の想いと重なり修復する決意をしました。ピアノを水で洗う。初めての修復作業に何度も自問し葛藤しながらピアノと向き合い続けました。
水洗いをし、洗剤で洗い、塩分除去剤を塗る。9000点以上の部品を交換し、その懸命な作業におよそ半年をかけて、修復はほぼ不可能だと思われていたピアノの音をもう一度鳴らしました。
今年で東日本大震災から14年が経ちます。
映像を作りました。
強く記憶に残る月がきます。
あれから14年。3.11の出来事を知らない世代が増えてきました。
被災を体験していない私にはあの日を想像することしかできません。
年々薄れてしまう記憶を風化させずに、忘れてはいけない出来事と向き合い、気持ちに寄り添いたいと思いました。
演奏を聴いていただいた後に、心を整える時間にそっと灯す一音となりますよう奇跡のピアノから震災のこと、そして観ていただいた人に何かを感じて未来への希望を繋いでほしいと思っております。
14年の想いを紡ぎながら、今もあの場所から音を奏で、2025年を共に生きている奇跡のピアノの音をどうぞ、お聴きください。
たくさんの想いが空の上に届くよう、そう信じて。
2025年3月11日14時46分にYouTubeに投稿します。
協力:野口志朗(演奏)/遠藤洋(ピアノ調律師)/いわき震災伝承みらい館/アクティオ株式会社 東北営業所
撮影場所:いわき震災伝承みらい館/木村眼科クリニック研修センター 兎渡路の家/いわき市内
写真提供:いわき震災伝承みらい館/フォトグラファー高橋智裕/ピアノショップいわき/自衛隊福島地方協力本部
企画制作・映像撮影・編集・デザイン・言葉:木村麻里子 (千葉県西部防災センター/BLUE PLANET PROJECT)
主催:千葉県西部防災センター 指定管理者アクティオ株式会社/BLUE PLANET PROJECT